ドラマ

マンダレイ

鬼才ラース・フォン・トリアー監督が再び豪華キャストで描く、人間の本質に迫る衝撃の心理サスペンス!

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』でカンヌ映画祭最高賞パルムドールを受賞、続く『ドッグヴィル』では、アメリカの閉鎖性と人間の姿を衝撃的な様式で描き、カンヌ国際映画祭無冠にして最大の話題作と言わしめたラース・フォン・トリアー。「アメリカには行ったことがない」と自認する彼が、アメリカの、そして世界の、最も古典的で最大の問題をテーマに、人間のエゴ、欺瞞、正義、そして愛を、見るに耐えないほどの生々しさで暴き出す。

ストーリー:1933年、ドッグヴィルの町を去ったグレース(ブライス・ダラス・ハワード)たちは、アメリカ南部の大農園“マンダレイ”に辿り着く。彼女たちが訪れたこの地は、奴隷制度が未だに残る閉ざされた世界だった。グレースは黒人たちを助けようとするが・・・。

出演:ブライス・ダラス・ハワード、イザック・ド・バンコレ、ダニー・グローヴァー、ウィレム・デフォー、ジェレミー・デイヴィス、クロエ・セヴィニー、ローレン・バコール、ウド・キア、モナ・ハモンド

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 洋画ファン

漆黒の闇の世界に浮かぶ白人女性の白い肌。ブライス・ダラス・ハワードが静かな演技で魅せる。大御所ローレン・バコールも出演している。

★★★★★ 傑作です。

前作『ドッグヴィル』の続編です。必ず『ドッグ・ヴィル』から見てください。『マンダレイ』はたしかに『ドッグヴィル』には及ばないものの、じゅうぶんな傑作です。前作の『ドッグヴィル』がおもしろすぎただけです。『ドッグヴィル』からつづくこの作品でも、トリアー監督は私たちの普遍的価値を揺すります。『ドッグヴィル』では、他人を許すことが傲慢なのか、許さないことが傲慢なのかと私たちに問いました。『マンダレイ』では他者に抑圧されることが自由なのかそうでないのかと問われます。監督の思考とグレースの思考はずれています。監督はこの世界に正しいことなんて何ひとつないと思っていますが、グレースは常に正しいことばかりします。そんな監督に動かされているグレースは不幸になるに決まっています。メタ的設定を使い、グレースとトリアー監督が同じ位置に立った瞬間、グレースの不幸は決まっていたように思われます。だから、この映画を見ているあいだ、私たちは常に落ちつかないきもちわるさを感じるのです。こういう作品は最高におもしろいです。『ドッグ・ヴィル』や『マンダレイ』が気にいった人は、武田泰淳という作家の「ひかりごけ」という小説を読んでみてください。カニバリズムをテーマとしていますが、この小説でも、他人を食べることを我慢するのか、食べないことを我慢するのかという価値感がぶつかります。ニコール・キッドマン降板を嘆く人が多いようです。実は私もそう思います。けれど、ドッグヴィルのドキュメンタリー映画、『ドッグヴィルの告白』を見てみてください。ニコール・キッドマンだけでなく、ほかの役者ももうトリアー監督の映画にはでたくないと思ったのでしょう。

★★★★☆ 前作よりは落ちるけど水準以上の作品

『ドッグヴィル』では普遍的な人間の醜さを描いていたのが良かったと思うのですが、本作で黒人差別問題を題材としたのはやや失敗かも。当事者でない外国人が取り上げても何か空虚で奇麗事を言っているようにしか感じられません。マンダレイの農園に対するグレースの視線と同じように。社会システムとしての差別に纏わる差別をする側/される側それぞれの醜さや、善意の裏の傲慢さなど普遍的テーマを抽出することは出来ますが、「アメリカ3部作」の一編であることやエンドクレジットの映像はそのような解釈を拒むような所があってどうもしっくり来ませんでした。 しかし、グレースの善意がことごとく裏目に出て「ミイラ取りがミイラになる」様を突き放した視点で描き、ラストで二重に捻りの効いた結末に着地させる描写・ストーリーテリングの妙には脱帽しました。(アメリカのイラク政策に対する皮肉と読むのは深読みしすぎでしょうか?)

★★★☆☆ キッドマンからダラス・ハワードへ

キッドマンからダラス・ハワードへグレース役が変わった。ハワードは、シシー・スペイセクを美化したような、色素の薄いブランシェット系の美人女優。地味だけど美しい。作品も、主演の変化に比例して地味になった。でもラストは痛烈。

★★☆☆☆ うーん・・・

『ドッグヴィル』が期待より見ごたえがあったためか、この『マンダレイ』はガクッと面白さが減ったように感じた。
ドッグヴィルに決着をつけたグレースのやり方にはそれなりに納得がいったし、その決着に考えさせられるところがあったが、『マンダレイ』でのブラックピープルの結論は、すでに『ショーシャンクの空に』で囚人が言っていることでもあり新鮮味には欠けた。その点衝撃的なものもない。そしてグレースの最後の鞭打ちは・・・うーん、なぜいきなりそう出るかなぁ・・・とちょっと解せない。

作品の詳細

作品名:マンダレイ
原作名:Manderlay
監督:ラース・フォン・トリアー
脚本:ラース・フォン・トリアー
公開:デンマーク  2005年6月3日、日本 2006年3月11日
上映時間:139分
制作国:デンマーク、スウェーデン、オランダ、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス
製作費:1400万
興行収入:67万ドル
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