ナチスで最も危険な男、ハイドリヒ。彼はなぜ恐ろしい人物へと変貌し、38歳の若さで暗殺されたのか?
原作は、NYタイムズ紙の“注目すべき本”に選出された、ローラン・ビネの大ベストセラー「HHhH プラハ、1942年」。世界25ヶ国で翻訳され、本屋大賞翻訳部門第一位ほか幾多の賞を総なめにし、世界累計販売部数75万部以上売り上げるなど純文学としては驚異的大ヒットを記録! これまで描かれることのなかった怪物・ハイドリヒの人間性に真正面から迫り、特筆すべき歴史的瞬間を忠実に再現。さらに、決して理想を諦めず、自国のために立ち上がった青年らの友情と葛藤、痛切な運命を、瑞々しい心理描写で表現。ナチス側とレジスタンス側の両極に位置する人々の足跡に真正面から深く入り込むことで、想像を絶する真実を圧倒的なリアリティで描き切り、原作者も「小説と別物ではあるけれど素晴らしい映画」と絶賛した。
ストーリー:なぜヒトラーでもヒムラーでもなく、彼だったのか? ラインハルト・ハイドリヒ。その冷酷さから“金髪の野獣”と呼ばれ、ヒトラーさえも恐れた男。海軍を不名誉除隊となり、妻の奨めでナチ党に入党。諜報活動で頭角を現し、瞬く間に党幹部へとのしあがる。さらにユダヤ人虐殺の首謀者として、絶大な権力を手にしていく。この抑止不能な男の暴走を止めるべく暗殺計画を立てたチェコ亡命政府は、2人の若き兵士をプラハに送り込む。綿密な計画を練ること数カ月、1942年5月27日、決行の朝はやってきた。ハイドリヒを乗せた車が市街地に入り、ついに姿を現す・・・。ナチス政権に揺さぶりをかけた瞬間は、それぞれの信念を貫いた両極に位置する人々によって生み出された。ハイドリヒ暗殺計画の知られざる真相が今、明かされる。
出演:ジェイソン・クラーク、ロザムンド・パイク、スティーヴン・グレアム、ジャック・オコンネル、ジャック・レイナー、ミア・ワシコウスカ
★★★★★ セクシーかつ軽妙が綾なす、凝った戦争映画
一見、主人公不在だが、「鉄の心を持つ人間」とは、一体誰なのか? というテーマが良く表現されている。殺人を犯す者が「鉄」と評価されるわけはなく、無益な殺人を止めようと自らの命を投げ捨てた者達こそが、ほんとうの鉄の心を持つ人間というわけだ。ハイドリヒの体のわりに小さすぎる肩が、歪んだ弱さと愚かさの全てを象徴している。
★★★★☆ この映画の焦点はどこ?
あれもこれもと詰め込みすぎてなんだかなといった印象。エンスラポイド作戦については過去の作品でさんざん描写されているので、ここはあえて暗殺作戦の具体な描写は省いてハイドリヒの人物像などを掘り下げてもよかったのではないか。
★★★★☆ 「逆もまた真なり」
彼の暗殺をテーマにした作品は何本か製作されているが、暗殺される側から描いたのは少ない。結論から言うと後半の暗殺計画、実行は無くても良かったのでは、「暁の7人」、「ハイドリッヒを撃て」を観ている観客してみれば「雑な作り」になっている。その部分を除けば、「ハイドリッヒ」が、海軍をクビになり、ナチに入党し頭角を現わし権力中枢に登り詰めていく辺り、色々なエピソードを踏まえ判り易く描かれているが、個人的には、国防軍情報部との対立、カナリス提督との確執等が描かれいない点が大いに不満。以外だったのは、彼の妻の描かれ方である。彼女「ナチ」の党員だったのは今回初めて知った。彼女の存在が「ハイドリヒ」の人生を大きく左右する辺りは面白い。最初は「内助の功」でのし上がった夫が、コントロール出来なく時、不満を漏らす一言「私のそばに居て」、「今の、生活を続けたいなら私に従え。」どこの家庭でもある夫婦の確執、普通の家庭人と変わらない。だから余計に「恐ろしい」普通の家庭の夫である人が、「ホローコースト」を企画、立案したことを、この映画一番言いたかった事ではないだろうか。「彼の立場になれば、誰しもがハイドリッヒになり得る」
作品の詳細
作品名:ナチス第三の男 |
原作名:HHhH |
監督:セドリック・ヒメネス |
脚本:デヴィッド・ファー、セドリック・ヒメネス |
原作:ローラン・ビネ『HHhH プラハ、1942年』 |
公開:フランス 2017年6月7日、日本 2019年1月25日 |
上映時間:120分 |
制作国:フランス、イギリス、ベルギー |
製作費:3200万ドル |
興行収入:400万ドル |
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