衝撃的な実話をベースに、奇才アラン・パーカー監督がアメリカのタブーに挑む社会派サスペンス!
ストーリー:1964年ミシシッピー州の小さな町で3人の公民権運動家が姿を消した。徹底した人種差別のはびこる南部の町で捜査に乗り出すFBI捜査官、司法省からきたウォードとたたき上げのアンダーソン(ジーン・ハックマン)。彼らが事件の核心に迫るほど、焼き討ち、リンチ、殺人が続発する。ピンチをくぐり抜け、2人は真相に迫るのだが・・・。
出演:ジーン・ハックマン、ウィレム・デフォー、フランシス・マクドーマンド、ブラッド・ドゥーリフ、リー・アーメイ、ゲイラード・サーテイン、スティーヴン・トボロウスキー、トビン・ベル
★★★★★ 傑作
好みは分かれるでしょうが、米国映画の隠れた傑作の一つだと思います。 60年代の公民権運動に興味のある人にはお薦めです。
★★★★★ KKK
かつて多くの人の支持を受けたというクー・クラックス・クランも 偏見に凝り固まった単なる凶悪な犯罪集団として 扱われるようになりました。本作は、ジーン・ハックマンの表情を見ているだけで 飽きないです。よくニヤニヤ笑い、ときには真っ赤になって怒り、 感情を爆発させ、いつもながら役柄になりきっていて、 演技に説得力を感じます。めがねが似合うデフォーもしたたかな演技を 見せます。この人は人相は悪いけど 意外にいい役柄が似合うかも。物語の後半、目には目をとばかりに手段を選ばず 南部の偏見男たちを追い詰めていく過程が面白く、痛快な印象を受けますが作品の舞台になった南部の州の 人々がみたら気を悪くしないでしょうか。
★★★★★ これは本当に日常的にあったことなのです。
アメリカ南部を調べて色々本を読んでいるときに、この原作に出会ったが、映画の方が格段に良い。内容は前出レビューのとおりだが、凄まじい殺戮、差別というような生やさしいものではない黒人にたいする迫害、なによりもショックだったのはプアホワイトのみじめな現実。黒人史を読んだが、アメリカの歴史の教授が黒人、白人の有様、FBIの捜査法もこの映画がもっとも真実に近いと書いておられた。バックに流れるマヘリアジャクソンの歌。彼女も同時代に生き、国外では国賓並みの待遇を受けたが、アメリカでは劇場を出たとたんに差別の苦しみにあっている。最近ミシシッピに関する本を多く読んでいるが、差別に関したものが多く南部人は北部にさらに反感を抱くのでは?と思ってしまう。プアホワイトがなぜできたかをインターネットでもしらべて、ある程度の知識をもって観てみると、もっと深くなるのでは?
★★★★☆ 実際にあった事件
実際に起きた行方不明事件を元に、FBIの二人の捜査官が真相を究明するまでを描いた作品です。市民権運動当時の南部の雰囲気の中、捜査官それぞれの性格の違いを絡め、映画としても良い出来だと思います。しかし何と言っても重いのはKKKの存在。アメリカの恥部とも言える白人至上主義者の存在をこれだけ描くのは大変だったでしょう。「アラバマ物語」程度で満足していた映画人がアメリカンニューシネマの洗礼を受けて一回りスケールアップしたなと感動しました。
★★★★☆ 60年代の米国黒人差別の実態
60年代アメリカ南部の黒人差別の根深さを鋭くえぐったアラン・パーカーの力作です。黒人というだけで白人が異人類視し、抑圧し、殺戮する視座はいったいどのようにして歴史的に生得の資質となっていったのか。それはもしかして皮膚の色がもたらす原初的な恐怖と異物感によるものなのかしらん、と私は、最近よく出くわす蛇に対する自分の恐怖とその直後に湧きおこってくる一種の憎悪、さらのその後から押し寄せる殺意のようなおぞましい複合的感情を呼び覚ましながら、この白と黒、北と南、先進と後進、中心と周縁、知識と情念、信と不信などの対立軸がぐるぐる回転しながら大捜索の末に殺人犯が挙げられて有罪となるまで、の顛末を眺めておりました。しかしこれが黒と白ではなく同種同文同貌の間柄においてどうして敵意と反感と憎悪が巻き起こってしまうんだろう。それはともかくやっぱり正義の味方のウイレム・デフォーより南部出身のやさぐれ捜査官ジーン・ハックマンの役どころに惹かれるなあ。
作品の詳細
作品名:ミシシッピー・バーニング |
原作名:Mississippi Burning |
監督:アラン・パーカー |
脚本:クリス・ジェロルモ |
公開:アメリカ 1988年12月9日、日本 1989年3月4日 |
上映時間:128分 |
制作国:アメリカ |
製作費:1500万ドル |
興行収入:3400万ドル |
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